みなさん、こんにちは！

マダム麗奈グループの松井忠司です。

今日は僕が麗奈ママから教えていただいた。

お客様と信頼関係を構築する方法についてご説明したいと思います。

ブランドも実績もゼロからスタートした矢澤麗奈が、どのように顧客との信頼を築いたか。リピートを呼び、紹介を生んだエピソードや事例などを踏まえてご紹介します。

どうぞ、最後までご覧ください。

◆信頼関係を築くには

2006年の夏。

東京は記録的な猛暑に見舞われ、30℃以上の真夏日が20日以上も続いていた。
 

引用： pixabay

週末の金曜日、この日はとても忙しかった。

18時の時点で予約表はびっしりと埋まっていて、ほとんど空きがない状態。

あまりの忙しさに麗奈ママが直接お客様の電話対応をされていたほどだ。

「近藤先生お久しぶりです。はい…『横峯凜花さん』ですね。はい、この子はおすすめですよ。きっとご満足いただけるはずですわ…」

「ニューオータニ東京の716号室に21時ですね、承知いたしました。では、失礼いたします。」

電話対応が終わると、ママは受話器を静かに置いた……

「ママ、今日は凄いですね！もうご案内できるレディの枠がほとんどありません！」

「そうね、今日は医師会の集まりがあったらしくて、そのおかげね。」

「そうだったんですか…。」

「そう、見てこの予約表、ほとんどのお客様がお医者様よ」

「ありがたいですね…。」

こうして、忙しい時間は続き、落ち着いたのは午後9時を回ってからだ。

出勤したレディ全員が出発し、待機室にはもう誰も残っていない…。。

「ママ、そういえば僕が電話対応したときは、半信半疑だったお客様が、ママの電話対応だと、みなさんすんなりと予約を確定されてましたよね。」

「そうだった？」

「はい。ママとお客様との信頼関係って凄いなって思ったんですけど、信頼を得るために必要なコツみたいなものはあるのでしょうか？」

「コツ？」

「はい…。」

「そうね、大切なことはいろいろとあるわね…。わかったわ、それじゃあ具体的に説明してあげる。」

「ありがとうございます！」

私は、ママに教えていただいた内容を以下にまとめました。

●美しいレディを育てる

お客様に200％ご満足いただけるような、礼儀正しくて清潔でユーモアのセンスがあり、最高にエレガントでパーフェクトなレディを育て上げる。そして、今まで経験したことのない感動的な出会いを継続してご提供する。

●丁寧な電話対応

まず、電話には3コール以内に出ます。そして「お電話ありがとうございます、マダム麗奈東京〇〇が承ります」と明るくハキハキした声で名乗りましょう。声が小さかったり覇気がないと、お客様は不安になってしまいます。

次に、お客様の話を真剣に聞きましょう。そうすることで「この人は私のことを理解しようとしてくれている」と思っていただけます。もしクレームだった場合は、お客様と同じ熱量にならずに気持ちを落ち着かせることを最優先して冷静に話を聞きましょう。

こちらに落ち度がある場合は誠意をもって謝罪し、適切な対応をとりましょう。最後に電話を切るときは、お客様が電話を切ったあとにフックを静かに指で押してから受話器を丁寧に置きましょう。決して「ガチャ！」という耳障りな音をさせないようにしてください。お客様に不快な思いをさせてしまいますから。

●好みのタイプを詳細に把握

お客様の好みのタイプを詳細に把握して、ご希望通りのレディをご紹介しましょう。ゆるぎない価値を継続してご提供することで、確実に顧客満足度も向上します。

●誠実に向き合う

例えば、お客様が25歳以上のレディを希望されているのに、25歳以下のレディをご紹介するようなことはやめましょう。いくら売上が欲しくても、嘘やごまかしをせずに、誠実な対応を心掛けましょう。

●感謝の気持ちを伝える

星の数ほどあるお店の中から、マダム麗奈を選んでいただいたことを心から感謝しましょう。その上でキチンと言葉や行動で感謝の気持ちを伝えましょう。

●共感力を高める

常にお客様の立場になって考え、耳を傾け、感情に寄り添いながら気持ちを理解するように努めましょう。お客様のよき理解者、よき相談相手になれるように努力しましょう。

●自己開示

お客様との距離感によっては、ある程度の自己開示が必要になることがあります。その場合は、差し支えない程度に自分の話をして距離を縮めましょう。

●約束を守る

お客様との約束は必ず守るようにしましょう。万が一、交通渋滞などで、ご予約時間に遅れる場合は、速やかにご報告してご理解いただけるように説明しましょう。

以上、ママから教えていただいたことはとても参考になりました。

やはり、信頼関係というのは一朝一夕で築くことはできませんよね。だから、毎回丁寧に接しながら少しずつ良い関係を築いていこうと思いました。

◆リピートを呼び、紹介を生んだ当時のエピソード

「ママ、あともう一つ教えてください」

「いいわよ」

「OPENしたばかりのころって、今ほどお客様って多くなかったですよね」

「確かにそうね…」

「どうやってお客様を増やしていかれたんですか？」

「まずはたくさんのお客様にお店の存在を知ってもらうことからはじめたわね。」

「知ってもらう…ですか？」

「そう、営業広告はもちろん活用したけど、それ以外にもいろいろと試してみたわ。」

「あ、どうやったか教えてください！」

「うん、それじゃあOPENしてから今までどうやってお客様を増やしていったのか説明するわね…」

「ありがとうございます。」

ママは、ゆっくりとソファに座り直すと、説明をはじめてくださいました。

以下、わかりやすくまとめます。

●サイトを選んで広告費を投下

当時はネット広告が勢いを増していて、紙媒体の広告には効果がなかったわ。そもそもターゲットが違っていたと思う。富裕層は紙媒体の広告を見ないことが分かったから、広告予算は早々にネットに移して、高級店を中心に掲載しているポータルサイトに絞って広告を出したの。

売上がアップするたびに余裕資金が生まれたから、その分をさらに予算に上乗せして広告費を増やしていったわ。サイトの検証も怠ることはなかったわね。今じゃありえないことだけど、そのころは１クリック20円を上限として、それ以上だと費用対効果が低いと判断して広告を停止したわ。

●個性豊かな美女たちを揃えた

小柄で愛嬌がある可愛いタイプ、清楚なお嬢様タイプ、高身長のモデルタイプなど、ありとあらゆる美女を揃え、お客様からの細かなご要望にもお応えできるようにしたわね。そうすることで、リピートも増えてきて、ご紹介もたくさんいただけるようにもなったわ。

●幅広い人脈を持つ、「スーパーコネクター」との繋がり

これは、銀座の高級クラブで働いていたときのお客様なんだけど、幅広い人脈を持っている「スーパーコネクター」と呼ばれている方々と知り合いになっていたのは大きかったわ。私が「マダム麗奈」をOPENしたという情報を多くの方々に伝えていただいたので、毎月数十名というお客様がご来店されたの。お陰様でOPENしてしばらくは広告費をほとんど使うことがなかったわね。

●キャンペーンの活用
今考えると、期間限定で様々なキャンペーンもやったわ。

例えば、お客様がご友人を一人ご紹介いただくと、ご紹介した方もされた方も同じように5000円キャッシュバックする「お友達ご紹介キャンペーン」や、誕生日特典として、誕生月に一度だけ無料でご利用いただける「誕生月限定！高級ホテル無料宿泊券プレゼント企画」、あとは、一週間以上前からご予約されたお客様には総額から10％割引する「10％早割キャンペーン」、それに一ヶ月間の間に6回ご利用いただいたお客様には7回目のご利用が120分まで無料になる「ラッキーセブンキャンペーン」など、思い出したらキリが無いけど、いろいろと試してみたわ。

●SEO対策

これは、新規顧客を獲得するためにはじめたことなんだけど、ホームページのSEO対策にも力を入れたわね。完全出来高制の業務委託だったけど、有名な業者さんでね。キーワードの選定、内部対策、外部対策、サイト表示速度の改善など、すべてやってくれたわ。そのおかげで一時は「高級　デリヘル　東京」というキーワードで検索エンジンのTOP３には常に入っていたわね。

ママの話を聞いて思った。

お客様を増やすために試行錯誤を重ねながら営業されてきたんだなと。

「ママ凄いですね！勉強になりました！」

「よかったわ…」

「あの…、今まで営業されてきて、リピートが増えたり新規のお客様をご紹介されたときの面白いエピソードや実例などはありましたか？」

「エピソードや実例ね…あ、そうそう、あれは2004年の10月のことだったんだけど、新潟県中越地方で地震があったでしょ？」

「あ、知ってます！首都圏の私鉄や地下鉄まで運転を見合わせた地震でしたよね」

「そう、そのときに心配だったから新潟県在住で常連の阿部様にメールしたの『地震は大丈夫ですか？』って」

「はい」

「そしたら、阿部様ってね。実は大学病院の病院長だったらしくて、私が心配して連絡したことがよほど嬉しかったのか、それから病院の先生を毎月ご紹介くださったの」

「地震発生から１年後、久しぶりにご利用されるときにお電話で少しお話したんだけど、あの時のメールがとても嬉しかったって言ってくださったわ。」

そのときに思ったの、いくらお店とお客様といった関係でも、その前にやっぱり人間同士、例えご利用されていなくても思いやりの心は大切だなってね」

「いや、いい話ですね…」

「あとはそうだな…、これは私の話じゃないんだけどね。」

「あ、はい…」

「うちのVIPレディの佐竹真由美さんっているでしょ？」

「はい、真由美さんですね」

「そう、彼女のお客様で東京にいらっしゃるたびに貸し切りをされる山田様って覚えてる？」

「はい、覚えてます。毎回真由美さんを貸し切りでご利用される常連様ですよね…」

「そう、実は山田様ってオープン当初からのお客様なんだけど、毎回私のお任せでご利用されてたのよ」

「ということは、ずっとリピート指名されなかったってことですか？」

「うん、そうなの。毎回違うレディを呼んでは120分コースで楽しまれていたんだけどね…」

「はぁ…」

引用： pixabay

「そんなある日『来週の金曜日に東京で一泊するから利用したい。そのときにレディと一緒に花見をするつもりなのでデートコースをオプションで追加して欲しいって』リクエストがあったの。」

「お花見ですか、いいですね」

「そう、それで事前に真由美さんに相談してたのよ『山田様という常連のお客様が来週の金曜日に東京にいらっしゃるからそのときにご紹介したい』って」

「そうでしたか」

「うん、そして当日の午前11時に上野恩賜公園で待ち合わせをして、2人は無事にデートを楽しんで帰ってきたの」

「はい…」

「それからよ、山田様が佐竹真由美さんを指名されるようになったのは」

「それも毎回貸し切りですからね…、いったい何があったんですかね…」

「うん、それで気になったから真由美さんに聞いてみたの『山田様は今まで一度も指名をされてこなかったのに凄いわ！いったい何があったの？』って」

「はい」

「そしたら教えてくれたの…」

「……。」

「あの日、デートコースで一緒にお花見をすることになってたでしょ？だから真由美さんは気を利かせてお弁当を2人分手作りして持っていったんだって。そしたら山田様はすごく喜んでくれてね。特にお弁当の中に入っていたハンバーグの味が祖母の作ってくれていたハンバーグの味とそっくりだったらしくて、目に涙を浮かべながら“美味しい美味しい”って食べたらしいの…。」

「後から聞いた話によると、山田様は幼い頃にご両親を交通事故で亡くして、祖母に育てられたらしいのよ。でね、その御祖母様は５年前に亡くなったらしいんだけど、もう二度とあの美味しいハンバーグが食べられないと思っていたんだって。そこで真由美さんが作ったハンバーグの味に驚いたってわけ。」

「なるほど…、真由美さん素晴らしいですね！」

「そうね、大したものだわ…」

僕は思った。

デートコースで花見をしたいというお客様がいらっしゃった場合、ほとんどの女性は何も用意せずに待ち合わせ場所に向かうでしょう。しかし、真由美さんは違った。初対面のお客様だとしても、心のこもったお弁当を用意したんだ。

そして見事に胃袋を掴んで気に入ってもらえた。

やっぱり、たいしたものだ…

◆まとめ

いかがでしたでしょうか。

お客様との信頼関係の構築方法。どのように顧客との信頼を築いたか。リピートを呼び、紹介を生んだ当時のエピソードや実例などを含めてご紹介しました。

ちなみに、みなさん“信用”と“信頼”の違いってわかりますか？

これも、後日ママから教えていただいたのですが、信用というのは過去の実績や成果を評価するもので、信頼は未来の行動や感情に期待するものらしいです。

確かに、世の中には資産があって返済能力もある人に融資する「信用金庫」というのはありますけど「信頼金庫」ってないですよね？

過去から現在までの評価ももちろん大切ですが、未来への期待はさらにありがたいです。

これからもお客様に信頼され続けるお店でありたいものですね。

以上、最後まで御覧戴きまして、誠にありがとうございました。

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