デリヘルというお仕事で擬似セックスはするものの、プライベートではホルモンバランスや相手との相性などで、その行為自体から遠ざかったり、また「する」ことに対して不安になる瞬間もあると思います。もちろん私にもあります。

そんな不安を感じた際、それらを払拭するために私が思い返すのが「セックスで幸福を感じる瞬間」です。例えば、絶頂までの肉体的な快楽だったり、人肌に触れる安心感など……。

 

そこで今回のテーマは「性と幸せ」。

風俗のお仕事は性欲が解消されればいい、と思われがちですが、高級店などで遊ばれる方は「幸せ」を求める方も多いのではないでしょうか。

そして、お客様に満足していただくために大切なのが「精神を解放すること」だと私は考えています。あなた自身を解放することで幸せを感じるプレイが訪れます。そのプレイがお客様に幸せを提供するのです。

 

この記事では、私が考察してきた「セックスと精神性」について触れたいと思います。

 

性行為にハマる理由

私は幼少期から、何か物事が起こった時は、その原因や理由をじっくり考えたり調べることが好きでした。

“性行為“に関してもそうでした。

性に関心を抱いてからすぐに、ノーマルなセックスよりアブノーマルなものに惹かれていき、実際にプレイを経験していくとどんどんのめり込むように..。

様々な体験を重ねていく中で、性行為における精神性に向き合うことが多くなりました。

プレイの最中にいちいち「どういった理由で気持ちが良いんだろう」と考えたりはしませんが、後で振り返ったり書籍から情報を得ることで、自分がセックス……特にSMを求める根源となるものが見えてきました。

 

その大部分を占めるのが、

・コンプレックスからの解放

・自分との対話をしたい

・五感を活用したい　です。

 

この3つの観点から考えていきたいと思います。

どれかひとつは、あなたにも共感していただけるのではないでしょうか。

 

コンプレックスから解放され、自分を好きになる

自分の身体にコンプレックスを持っていたり、日常生活の中で自尊心を失ってしまう瞬間もあるでしょう。

身に付けていたものから解放され裸になることで、絡み付いていたネガティブな感情を忘れることができます。

ありのままを見てもらうことで自信がつき、それが生きる喜びに繋がります。

 

ここからの話は私の実体験ですが、容姿が気になり始める多感な思春期に、クラスの男子生徒から厚さのある唇をからかわれていました。

その当時は、続けていたスポーツを辞めてから増えた体重や、アトピー症にコンプレックスを抱いていましたが、それに加え、「やーい、タラコ唇〜」と言われとても傷付いていました。いじめが怖くなり、不登校寸前の時期もありました。

母からは「その唇は将来男性にモテるよ」と励まされましたが、その時はどうして信じることができたでしょう。

 

大人になってから「色っぽい」「情熱的」と褒めてもらったり、「キスやフェ◯チオが気持ち良い」と言われ性的なメリットになることを知り、今では好きなパーツの一つになりました。

ひょっとしたらお客様の中にも様々な事情やコンプレックスをお持ちの方がいるかもしれません。お互いに裸になって肌を合わせる瞬間、その鎧を脱ぎ捨てご自身を好きになられているかもしれません。

ありのままの姿の男性のお相手ができるのは、この仕事ならではです。

 

自分との対話ができる時間

感性の世界が好きな私は、読書や美術鑑賞の他、コンサートへ行くことを趣味としています。

先日シンガーソングライターのライブに足を運んだ時にふと感じたことがあります。

「セックスは芸術鑑賞で起こる感覚に似ている」と……。

 

思考を空っぽにしてメロディや楽器の音色に身を委ねることもありますが、この時は、歌詞を味わいながら一語一句に自分を投影していました。

それは、自分が置かれている状況や心の奥底にある感情を掘り起こし、見つめ直す時間でした。

求めていることを知ることで抑えられていた感情が解放され、涙が込み上げてくるほどの感動を覚えました。

ライブ会場の華やかな空間や音楽に酔いしれるうちに、より一層自分の心の中に没頭していったのです。

 

そしてセックスにも同様に、精神的な対話があります。

より良い快楽に導いていくためには、少なからずお互いを理解する必要があるでしょう。そのためにはまず、自分の状態や欲求など内面を知ることも不可欠です。

肉体と心のパズルがピッタリはまった時、今まで以上の満足感を得ることができるからです。

これは風俗の接客も同様ではないでしょうか。自分を知り、お客様の欲求に耳を傾け理解することで、それまでにはなかった世界を次々と発見することができるかもしれません。

 

五感で感じ、脳で感じる

人間の本質として、“五感を研ぎ澄ますことで「生きている」ことを実感する“ことがあります。

 

世の中はAIが溢れ、その本質を肌感覚で感じることが少なくなってきたように思います。

技術で何でもできるeasyな時代においては、生身で五感を大切にできるタイミングを進んで作る必要があります。
 

その一つが「セックス」だと思います。

肉体による“外的な刺激“と、感情による“精神的な刺激“が合わさることで五感がフル回転し、脳に集まる神経細胞で感じることができます。

それは生きているという実感のようなもので、明日も頑張ろうというエネルギーに変わります。

同じ空間や同じ時間の中で、そういった感覚の体験をお客様と共有できた時、一体感が生まれ、より大きな達成感につながるでしょう。

 

そうはいっても、実際のお仕事ではこういった感覚を維持するのは中々難しいかもしれません。

プレイの中でフィニッシュを迎えることで、外的な刺激への満足は得られるかもしれませんが、精神的な満足をどこまで満たせたかは計り知れないからです。

ただ、お会いしてからお別れするまでは本当の恋人のように接する。お相手がお話をしているときは、心からその話を受け止め相槌や質問を返す。こうしたことが重なって、少しでもお客様の精神的な満足度が満たせるのではないでしょうか。

 

「この子といると心地いい」一瞬でもそう思っていただけたら嬉しいですね。

 

この記事が、皆さんの何かのヒントになれば嬉しいです。

 

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