「ちょっとしたことでもついイライラしてしまう」「最近イライラすることが多くなった」…。このような悩みを抱えている方はいませんか？  このお仕事は特に対面でのストレスが多く、イライラしてしまうことも少なくないでしょう。要因はさまざまですが、実は毎日の食事の中にもイライラの原因が隠れていることがあるのです。

そこで今回は食事面からできる「イライラ解消法」について解説します。

食事でイライラは解消できる！

食事から得る「栄養」と「心の安定」は、実は密接にかかわっています。まずは栄養とイライラの関係を、頭に入れておきましょう。

「血糖値スパイク」の影響

食事によって血糖値が大きく変動することを「血糖値スパイク」といいます。糖質の多い食事や空腹の状態から一気にたくさんの量を食べると、血糖値が急激に上昇します。体は血糖値を下げようと「インスリン」というホルモンを分泌しますが、急激に上がった分、必要以上に下げてしまうことがあるのです。

すると食べたばかりなのに空腹を感じたり、イライラしやすくなったり、強い眠気に襲われたりしてしまいます。イライラを抑えるためには、なるべく血糖値の変動が緩やかになるような食事をとることが理想的です。

幸せホルモン「セロトニン」

私たちの脳からは幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」が分泌されています。セロトニンは心の安定に必要なホルモンであり、不足すると自律神経が乱れてイライラして攻撃的になったり不安な気持ちが強くなったりします。

セロトニンは必須アミノ酸の1つである「トリプトファン」を材料にして作られます。必須アミノ酸は体内で合成できないため、食事から意識的に摂るべきです。イライラしないためにはトリプトファンが多く含まれる食べ物を取り入れるようにしましょう。

ビタミンCの不足

ビタミンCはストレスを感じた時に消費されるビタミンです。ビタミンCは体内で合成できず、体内で溜めておける量もそれほど多くないため、ストレスを感じると急激に減ってしまいます。不安やイライラだけではなく、暑さ・寒さ・体調不良・疲労などでも体にストレスがかかるため、意外と消費されているのです。

肌に不調が現れた時はビタミンCが不足しているサイン。イライラを感じる前に意識的に摂るようにしましょう。

実は関係ない？カルシウム

「イライラしている人はカルシウムが足りていない」という話を聞いたことはありませんか？確かにカルシウムは神経の興奮を抑え、イライラを和らげる効果があります。

しかしカルシウムが不足しても、私たちの体には骨から溶け出してカルシウム濃度を保つ働きがあります。そのためカルシウムの不足が直接イライラに関係しているとは考えにくいでしょう。

心にゆとりが持てるおすすめ食材

ここからはイライラを和らげるのに効果的な食べ物を紹介します。イライラしやすい方は積極的に取り入れてみましょう。

大豆製品

豆乳や納豆、豆腐など日本人にはなじみの深い大豆製品。大豆には大豆イソフラボンや食物繊維、良質なタンパク質が多く含まれており、血糖値の変動を緩やかにする効果があるとされています。普段ご飯やパンなど糖質の多いものを食べる量の多い方は、一部を大豆製品に置き換えてみたり、大豆製品から食べたりするといいでしょう。血糖値が上がりにくくなり、食後のイライラが抑えられます。

かつお・まぐろなどの赤身魚

かつおやまぐろなどの赤身魚にはセロトニンの材料であるトリプトファンが多く含まれています。さらにセロトニンの合成に必要なビタミンB6も含まれているため、効率的に必要な栄養素を摂取できます。お刺身だけではなく、焼き料理や蒸し料理などアレンジもしやすいため、飽きずに食べられるでしょう。

ブロッコリー

ブロッコリーは100gあたり120mgと豊富なビタミンCを含む食材です。成人の1日あたりの推奨量が100mgとされているため、ブロッコリーを100g食べれば十分に充足できることになります。ストレスが溜まりやすい方、肌に不調を感じている方はブロッコリーを取り入れてみましょう。ただしビタミンCは熱に弱い栄養素です。長く茹でると茹で汁にビタミンCが溶け出してしまうため注意しましょう。

イライラを和らげる食事習慣

最後にイライラを和らげる食事習慣について解説します。毎日の食事で意識してみてくださいね。

ゆっくり味わって食べる

早食いは食べ過ぎの原因となり、血糖値を急激に上げてしまうため「血糖値スパイク」が起きやすくなります。よく噛みゆっくり味わって食べましょう。少ない量でも満腹中枢が刺激されるため、ダイエットにもおすすめです。

暴飲暴食に注意

イライラするとつい暴飲暴食してしまうという方も少なくないでしょう。しかし暴飲暴食は胃腸への負担が大きく、体にとってはストレスになります。消化のためにビタミンが多く消費され、ますますイライラしやすくなる悪循環に。ストレスはなるべく食にぶつけず、睡眠や運動などで解消しましょう。

朝食を抜かない

朝食を抜くと活動に必要なエネルギーが補給されないため、無気力になったり、イライラしやすくなったりします。また体内時計が狂って自律神経が乱れやすくなり、不調やイライラの原因となります。朝食をしっかり食べて一日を気持ちよくスタートしましょう。

心のストレスを食生活で解決！今日も気持ちよくお仕事へ

食事とイライラは深く関わっていることがお分かりいただけたでしょうか？  仕事柄、イライラの直接の原因をすべて取り払うのは難しい方も多いはず。食事に気を付けることで体の内側から、イライラに対処することは可能です。今回紹介した食べ物や食事習慣を取り入れて、少しでもイライラを解消しましょう。

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